AOTC(エピソード2)アナキン・スカイウォーカー ライトセイバー

2003/09/23更新

 AOTCで登場したアナキン・スカイウォーカーのセイバーは、様々な予想を裏切るデザインでの登場となった。
 ANHではルークはオビ=ワンから父親(つまりアナキン・スカイウォーカー)のセイバーとしてグラフレックスベースのセイバーを受け取り、ROTJにおいては奪われた自作のROTJルークに対し、ダースベイダー(つまりルークの父親にしてアナキン・スカイウォーカー)から、「父親のに似ている」と言われている。つまり、新3部作における若きアナキン・スカイウォーカーのセイバーは、ルークのセイバーに似たもの、あるいはそのものが登場するとして期待されていたのだ。
(EP2公開前のある時期など、ebayにおけるグラフレックスの相場価格が値上がりしたくらいだ)

 結局見た目にもストーリー的にもANHルークやROTJルークとは全く関係ないセイバーが登場したわけだが、何故だかよくわからないがANHベイダーには酷似している。
 しかし側面の溝やLEDは一体どこから沸いてきたデザインなのだろうか。

 ここに一枚の興味深い写真がある。赤枠が示すように、これはプロップではない。1996年の特別編公開に合わせて出版されたVisualDictionary(日本名「キャラクター&クリーチャー」)旧3部作編にベイダーのセイバーとして掲載されているICONS社のレプリカである

 (ちなみにこの本ではAOTCドゥークーやAOTCアナキンのセイバー画像が逆版だったりするし、他にも数多くのミスがある。
 がしかし、もともとこの本は、子供向けとして一般的に定着している百科図鑑(Visual Dictionary)をSTAR WARSでやってみようという、企画先行の書籍であったそうだ。その上で、ルーカスフィルムのアーカイブに残されているもののこれまで公開されなかったプロップの写真の公開を第1目的とし、その上で百科図鑑という体裁の上で無くてはならない重要な品々はなんとか調達するか新たに作り起こしたりして撮影したそうなのだ。つまり、限られた資産と状況の中で、子供が楽しめるようにそれらしくまとめあげられたものがこの本であり、20年近く前の旧3部作にさかのぼってオリジナルを忠実再現しようとした性格の本ではないそうだ。
 なんだかんだ言ってるが、子供にとってはわくわくするいい本であるし、マニアにとっても、わざわざ未公開の写真を主にチョイスしているという点でも、貴重な資料であることは間違いない)

 注目すべきはAOTCアナキンでLEDがある辺りにある2つの穴と、その周辺の照り返しである。シュラウドとコントロールBOXの向きは違うが、穴の位置がLEDの位置と符合する。また、照り返しがちょうど溝のように見えるのだ。
 また、AOTCアナキンのエンドキャップ周辺のディテールは、オリジナルのMicroPrecisionProductsフラッシュガンのものより、ICONSベイダーに似ている。
 無論証拠はないが、AOTCアナキンのデザインは、この写真から生まれた物のような気がしてならない。
トップビュー。
 エミッター近くの造形。AOTCオビ=ワンとは違って、ちゃんと金属製のHEROセイバーが制作されている。
 このHEROセイバーは、2001/5/3から5/5までアメリカ・インディアナ州インディアナポリスで行われた25周年記念オフィシャルファンイベント「STARWARS CELEBRATION2」で展示公開された。
 左はグリップエンドのアップである。ご覧のようにグリップゴムがわずかに剥がれかけている部分がある。また、ほぼ正確にボディに平行に並べられているグリップゴム(赤いライン)に対して、明らかにボディ側が斜めに歪んでいる(緑で塗られた部分)。これはどうなっているのだろうか。
 適当な図で申し訳ないが、左がグリップ部の構造想像図である。このように二重構造になっており、外側のパイプのグリップを貼り付けるべき部分は切り取られ、そこに内側のパイプが差し込まれていると思われる。外側のパイプの切り欠いた部分は不安定な構造になるため、外に反ってしまっていると思われる。

 また、LEDが装着されている溝も、同様に外側のパイプを切り欠き、さらに内側のパイプに溝を切ることで形成していると思われる。
 このページの下の方にある、STARWARS CELEBRATION2におけるAOTCアナキンの画像もご覧いただいて検証していただきたい。
 そして何故か、スチール写真の撮影にもかかわらずスタントセイバーが使用されていることも多い。スタントセイバーにはエミッター近くのDリング状の金具がついていない。
 終盤、自分のセイバーを失ったアナキンが手渡されたセイバーは、ジェダイ・マスターにして評議会の一人、キ=アディ・ムンディのセイバーと全く同型のものである。
 ちなみにブレードカラーは緑が正しい。一番上のスチールは比較的初期に公開されたもので、左手にはこの時点では同じく失われているはずのオビワンセイバーを手にしており、しかもそのブレードカラーは緑だったりする。
 ジオノーシスでの戦いにはキ=アディその人も彼のセイバーを持って参加しているし、このセイバーをアナキンに手渡したのは他のジェダイなので、キ=アディのセイバーその物ではないと予測される。
 ハスブロ、ルービーズ、トミー、MRと、多彩な商品展開を見せているAOTCアナキンだが、物語冒頭から放り出すわ後半で壊されるわで、持ち主からもストーリーからもぞんざいな扱いをうけている悲劇のセイバーである。せめて掲示板の人気投票でがんばって欲しいものだ。


2001/5/3から5/5までアメリカ・インディアナ州インディアナポリスで行われた25周年記念オフィシャルファンイベント「STARWARS CELEBRATION2」で展示公開されたAOTCアナキンの画像

jedi2016氏によるSWC2画像
Thanks to jedi2016 for permission to re-post these excellent pics on this site.
excerption from jedi2016.com