ARTOO氏制作 プラズマブレード・ワーキング型 ANHオビ=ワン・ケノービ ライトセイバー

※このページにおいて赤地の文は管理人ぴろいしによるもの、普通の白地の文は制作者のARTOO氏自身によるものである。

 ANHオビにはなみなみならぬこだわりを持ち続ける男、ARTOO氏。そのこだわりが、ついに彼を前人未踏のプラズマワーキング化へと着手させた。
 ANHオビは、首が細いというその構造上、非常にワーキング化が難しいセイバーである。保護管の固定や、配線スペースの確保と言った点で様々なハードルが存在するのだ。過去、海外のディーラーによって制作されたELワーキングセイバーが存在したが、いずれもオリジナルプロップに比べると、やたらにネック部分が太くなっており、見た目が悪いと言わざるを得なかった。

 これは、自分の愛する物に誠実であり続けた男の11ヶ月間の記録である。

 LIGHTSABER.DATのおかげでANHオビに魅了され、数々のノーライセンスものを集めてしまった私。
 ある日、「これに光刃がついてこそ、ライトセイバーだよなあ・・・」
と思い、ELセイバーを入手。しかし、TDSセイバーを手にいれてしまい目からウロコ。「あぁ、やっぱり明るさ重視ならプラズマだあ!」という結論にいたり、プラズマのオラオビ作ってみたいなあと妄想を抱いたのが、2002年のことでした。
 5月頃から作り始め、それから、少しずつパーツや工具を集め、時間のある時にちょっとずつ・・・。

2002年10月4日
 メタルポンメルはDH Studios製1stのものを流用。ボール盤で中をくり抜いてます。そこに外径32ミリのパイプがさしこんであって、ギアになってます。ギアは、そのパイプ、厚み2ミリのアルミ板からきりだしたギアの歯、金属用エポキシパテの集合体です。
 で、その先が、クランプ下に隠れるパイプとつなげてあります。

 ポンメルのメッキですが、DHのポンメルは御存知のように角張っていたので、角を丸めてみたわけです。すると当然そこのメッキがはげますから、ならば全体うすくはがしてしまえってな感じでこのようになりました。

さらりと言ってのけているが、ギア一つ取ったって、実際に作るのは大変なことは想像に難くない。溝がきっちりU字型になっており、こだわりがうかがえる。
 クランプの方は、以前UPした、つるつるラリークランプです。そこに、棚板受け金具と皿ワッシャーを加工してトランジスタ風にしたものをネジ止めしてます。
 エミッター側のトランジスタは、オルタネートスイッチがしこんであります。
画像でちらりとみえるかな。スイッチをしこんだ関係上、トランジスタの高さが高くなってますが、ま、オラオビですから(笑)

 画像では、9V電池を1個いれてみた状態です。
2002年10月10日
 ウィンドヴェインです。ようすけさんの削り出しリングには到底かないませんが、まあ、そこそこ自己満足。
 ジャンクパーツになってしまったDH1stのリサイクルです。リング状に削りこみDavid Sciacca製グレネードレプリカのパーツがはまるよう加工してみました。ただリングの溝が厚み以上に深いため、リング内面の溝に相当する部分が出っ張ってます。
2002年10月18日
 グレネードレプリカのメインボディを組み込み。

 ……と、また簡単に言っているが、実際この結合も大変難しいはずだ。グレネード並びにブレードの重量を支えるための強度確保にも気を遣わなくてはならない。ではどのようになっているのか。
 まずメインボディの端のでっぱりをカットしてアルミパイプに差し込めるようにしました。ところがこれだと3ミリ位しか重ならない。そこで、これの登場。

 パイプを壁とかに固定するソケットです。このパイプ部分のみをカットして使用。グレネードの内面も少し削りこのソケットが入るようにして、アルミパイプとグレネードの接続部の裏打ちとしたわけです。まずエポキシパテで固定。その後、アルミパイプとソケット、グレネードとソケットをそれぞれ貫通するよう4ヵ所ずつくらい3ミリの孔をあけ、ステンのM3の平行ピンをたたきこんで、ピンの余剰分をカット、てなわけです。

お見事。
2002年10月26日
 首の太さがワーキングの証!なんていいたいがやっぱり太く見えます。 いや、実際太いんですけどね。

 左からPark Saber Inc製ELセイバー(21.5mm)、私のオラオビ、右がレプリカで1番太いDH2ND(16.5mm)です。
私のオラオビが外径17.5ミリ、内径15.5ミリで業者さんに削りだしで作ってもらったものです。15ミリの保護管が使えて、なおかつ強度の面で肉厚1ミリを確保するとこんな感じになります。仕方ないところか・・・

 首の直径は1ミリ違うだけですが、やっぱり太く感じます。だいぶ見慣れてきましたけど 。

 材質はアルミです。頼めば真鍮でも出来たと思います。また、まんまステムの削りだしも多分可能だったかと思います。

 ここまで出来てもいまだ保護管を固定する基部はどうしようかなあと考えてる状態で、最終的な構造や形態はまだ決定しておりません。
2003年1月15日
 外径14mmの保護管を使用しているネオンマジックというイルミネーション製品の例があるため、首の太さを16mmのまま作れる!という目処を立てて作り直すことにました。

 ネオンマジックのもともとついている保護管ですが、測ってみたところ外径14ミリ、内径12ミリのよう。ところがっっっ!!このサイズのパイプがないっ!!
 ネットで検索して数件あたってみましたが、この規格自体ないそうで製造も無理とのこと。(ネオンマジックは台湾製なんですね〜)
したがって、現在手元にある外径15ミリ内径12ミリのアクリルパイプの差し込む部分のみ14ミリまで削りこむ。もしくは似たようなサイズの外径13ミリ内径11ミリ のポリカーボネイトパイプを使うか。ネオン管の径が10ミリなんで、多少たわむポリカーボネイトは使えるかどうかわかりませんが。

このままの勢いで器だけ先に完成させて、それから保護管のことで悩んでみます。
2003年1月25日
 SDオビが好きなもんで、エミッターもSD風にペイントしてみました
 ああ、それにしても手間のかかる・・・
2003年2月7日
 週末、ペイントにかかる予定。「器」のゴールが見えてきた・・・かな?
 ただ、インバータを内蔵できる余裕がグレネードに残っているかは、やってみないとわかりません。(爆
2003年2月10日
 え〜、とりあえず「器」の方は、完成ってことにします。

 首に巻きつけた薄い真鍮とVEINの風車は、ハンズで買ってきたガンブルーで黒染めしてます。VEINのリング部、ステム、グレネードは同色で、マットブラック&ディープアンバーの同時塗りで、茶系にペイントしてます。リングは特に固定しておらず、最後のクリアー塗料による接着のみです。

2003年3月2日
 本体の配線、終わりました。
電池、スイッチ、インバータ、ピンジャックのメス、これら4つを繋ぐだけですからいたってシンプルです。

 だけど、下手に4分割の構造なので配線が短いと分解できない、逆に、内部容量が小さい上にねじって組み立てる構造なので下手に配線長いと組み立てできない、というジレンマに陥ってしまいました。結局、画像の長さでやってみたんですが、組み立てに結構コツがいりそうです。

 インバータの先っちょに見える白いパーツが、ピンジャックのメスを納めたものでエポキシで作ってます。これが首の外径16ミリ内径14ミリのアルミパイプにきつきつで押し込めます。で、インバータは結局、熱収縮チューブ2枚重ねで保護してます。その反対の配線の先っちょについてるのが、カーステレオとかの接続用の平型端子を削って
できるだけ小さくしたものです。
2003年3月4日
 トミーのスーパーレプリカですが、ブレードの表面が擦りガラス状になっています。けれどELと違ってネオン管ですから、さほど光量がスポイルされてない気がします。
今回、私が使用するネオンマジックも、りりむちゃんの透明イオンブレードと違い、すでに管が白いですし、保護管表面を白くしても一緒かなと。うまくいけば、緩衝材も目立たなくなるかもしれないし、多少、光の拡散作用でブレードも太く見えやしないだろうかと・・・

 そんなわけで早速実験してみました。蛍光灯下、フラッシュ無しで撮影したもの。点灯時と非点灯時です。
左側が耐水ペーパーで適当に磨いたもの、右側がプラスチックプライマー+すりガラス仕上げスプレーです明るさが多少スポイルされてますね。ただ、試しにと、かなり液垂れする位1回に厚塗りをしています。表面のマットな仕上がり具合などは自分のイメージにかなり近いので、点灯時の明るさを確認しつつ数回に分けて丁寧にスプレーすれば、なかなかいい感じに仕上がるのではないでしょうか。
2003年3月18日
 結果、最終的に、保護管の先端、根元、その途中3ヶ所。計5ヶ所にパッキンを仕込みました。見た目は悪くなるかもしれませんが、あの心臓に悪いネオン管とアクリルパイプの接触する音を聞くより、はるかに良いかと。
4ヵ所だけだと、軽く手のひら叩いただけで、あのイヤな音が聞こえるんですよ。
5ヶ所だと、大丈夫なようです。
私の場合は、ネオン管と保護管の隙間が1ミリあるかないかだから、もっと余裕があれば少なくてすむかもしれませんね。

 DarthSlug卿のアドバイスどおりに、短く切ったパッキンをネオン管にのばして巻いて、保護管に差込みつつ、クルクルクル・・・。コツさえつかめば、簡単簡単。
ただ、狙ったところにもっていくのが、難しい。
1ヶ所、2ヶ所、数が増えるほど、難易度UP。
やったことのある人はお分かりでしょうが、途中で失敗すると、また1からやり直しになったりして。
数日にわたり、延べ6時間以上かかったと思います。


 先端パーツはアクリル製です。最初、エポキシ接着剤使って24時間待ってバリをそいでいたら、ポロリと・・・。次いで、ゼリー状瞬間も白濁するのみで、ぽろり。 アクリル同士の接着には、アクリル専用接着剤じゃないとダメみたいですね。

先端部は、保護管の端と先端のパーツにそれぞれゲルパッキンがいれてあります。
接着面が少し汚くなってしまいました。バリを削って#1000、1200、1500の耐水ペーパーで磨いてコンパウンド使ってます。
 先端と根元の間3ヶ所に、こんな感じで幅約1センチのパッキンが仕込んであります。
 根元はこんな状態。外径15ミリのアクリルパイプを、部分的に14ミリ位まで削りこんでます。その細いところが柄に差し込む部分になっていて、強度が最も不安なところ。振り回そうという気はおきません。差し込むと多少ガタがあるので、もうちょっと修正する予定。ピンジャックオスのパーツもエポキシ接着剤でつけたのですが、無理にはがしてやり直すのも不安だったので、保護管とパーツを貫く孔をあけて2ミリ位のワイヤーを2ヶ所エポキシで埋め込みました。 

 まあ、そんなこんなで当然、分解不可のブレードです。中のネオン管がわれたら、保護管から全部作り直し・・・。おそろしぃ〜。
2003年3月23日
 ついにー!出来上がってしまいましたああ!!!

 ブレードは、すりガラス仕上げスプレーを使いましたが、この程度でとどめてます。 パッキンが見えなくなるまですると、光量がダウンしすぎそうでしたから。
で、仕上げを終えてこんな感じです〜。(注意しておきますが、当然デジカメマジックでブレードは明るく見えすぎです。

 DATでラッシャー君のROTJルークを見て、「自分にもできるかなあ・・」なんて思って実際に作り始めてから、なんだかんだで1年近くかかってしまいました。まあ、その分感激もひとしおです。

 非常に重厚感のあるANHオビから伸びる青白いプラズマの光刃。セイバーファンなら誰もが心を躍らせる光景だ。
 数々の障害を乗り越え、妥協を廃して正しいサイズのワーキングセイバーを作り上げたARTOO氏の努力は賞賛に値する。今後も、内部スペースと相談しながら、光刃を伸縮させるデジタルドライバーの実装を目指すそうだ。

 実際は、これらのレポートは、本サイトの掲示板において、数ヶ月にわたって行われたものだ。 ここに掲載するに当たって、それらの内容を管理人ぴろいしが要約している。掲示板の当該スレッド( LIGHTSABERS BBS フォーラム一覧 -> ワーキングセイバー自作関連 ->プラズマのオラオビを作ってみたい!)をごらんいただくと、より詳しい内容や、それに対する常連達のコメント・アドバイスなどがごらんいただけるだろう。